episode2〜デザインのベースはワーク

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生地の上質さを存分に味わうことができるシンプルな1着が良いのではないかと、
たどり着いたのがバブアーのスタンダードをベースにしたこちら。

ワークウェアをベースにした実用的なデザインながら、
シルエットや素材使いでモダンに昇華された1着です。



河村氏

「なんだか見覚えのあるデザイン…
みたとおりバブアーのバーレーがデザインソース。

ですが、実は極小サイズサンプルの襟、ポケットと
ボディのアンバランスさを比率ごとレギュラーサイズに拡大しています。」


河村氏
「ドットボタンを通常のボタン仕様にしてクラシックな印象を強めています。
合わせてセンターベントもかなり深い位置まで上げています。

クラシックミーツクラシック+モードの匙加減となりました。
ラグランの袖付もよりナチュラルな角度を目指して調整をしています。」

デザイン自体はすっきりとシンプル、よく見ると細かなところに遊び心があって。
ラグランの袖付けは動きやすく、角度も絶妙で窮屈さがない。
袖を通したときに感じる、KLASICAらしい立体的で美しいシルエットもたまりません。

すでに完成されたこちらのモデルavoirにアレンジを加え
ここからgenreモデルへと昇華させてゆきます…

河村氏
「今回の10th Genre Editionは
このavoir のサイズ3.2.1 を各部に混在させて
違和感なく着地させるリ・エディットの側面が強い企画となりました。」


河村氏
「ヴィンテージの視点を通したスタイリングに現代の吐息をまとわせた”genreのスタイル”。
全てを包みこむ主役にも、また名脇役にもなれる上質でシンプルなコートを目指しました。

ワークウェアをデザインルーツにしながらドレスウェアに昇華させたい、と頭を悩ませてみました。

ワークウェアのデザイン美を残しながら、さらに3サイズに渡るサイズバランスを
破綻なく美しく落ち着かせるには…?


重要になったポイントを。」

・ネック周り

河村氏
「フレンチヴィンテージに見られるゆとりあるネック周りは意識的に。
ミリタリーモデルほどは開けず。

スカーフを巻いたり、デコルテの美しさだったり、タートルネックだったり…と
私のイメージするgenreスタイルの気高さを求めています。


「どうでしょう?
そこを引き立てるように衿は大きめかつ寝過ぎないようにしました。

凛々しくあってほしい部分。」

ポケット幅やその配置

河村氏
「”外套”と呼びたくなる時代のアウターイメージを求めて、
実はサイズ3のボディに近いボリュームを与えています。」



河村氏
「ポケットは、元のアウトドアな配置から、
クラシックな印象を求めた配置とサイズになっています。

目立たないけど実は女性的な配置になったように思います。」

内部の縫製仕様まで洗い出す

河村氏
「カシミアを得意とするアトリエで丸縫い、丁寧な仕立てを。

ストンと落ちるラインをライニングに邪魔されたくなかったので、
表地と裏地は裾の始末を分ています。(フラシと呼ばれる仕様です)」


河村氏
「露わになる表地裏側の始末もパイピングを各所に配し、

手縫いも合わせています。
裏の裏も美しい仕上げにしました。」

ステッチの幅とビッチ

河村氏
「最終的にはオーソドックスな仕上げに落ちつきました。
コバステッチ巾を1ミリごと+運針ピッチをそれぞれ試した結果です。」

 

ネック周り、ポケットの大きさや位置、金具やボタン、裏地の質感や柄、色。
ステッチ幅や運針にいたるまで…
本当に細かいところまでgenre仕様にしていただきました。

ネームタグも10周年特別仕様です◉

つづく

一生物のコート 
②episode1 カシミア選び 
③LOOK BOOK 
④episode2 デザインのベースはワーク
⑤episode3

10th ANNIVERSARY MODEL
KLASICA × genre
¥208,000+tax (¥228,800)

” LIMITED PRODUCTION FOR GENRE ”
MATERIAL :CASHMERE 100%
COLOR :BLACK
SIZE : ONE

10月31日発売
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